宇宙ってなあに?

 

「宇宙」ってなんでしょう?

まっくらで広くて

星がいっぱいあって

銀河があって

太陽系や地球や

ほかの惑星がうかんでいる様子・・・

をイメージする人は多いでしょう。

 

国際宇宙ステーションや、ロケット

遠い惑星を旅する 探査機や

宇宙人

を想像する人もいるかもしれませんね。

 

* * * * *

「宇宙」

という 言葉は

紀元前2世紀(前漢の時代) につくられた

『淮南子(えなんじ)』

という古書(思想書)にあります。

「宇」は 上下左右の「空間」を

「宙」は 過去から現在、未来の「時間」を表します。

 

つまり「宇宙」は

私たちが知るかぎりの 「すべてのもの」、

私たちが存在する 「世界全体」

をあらわしています。

 

* * * * *

一方で、わりと身近に見聞きする

「宇宙」

は、またちょっとイメージがちがうかもしれませんね。

 

「私たちの頭の上は どこからが宇宙なの?」

と考える人もいるでしょう。

 

私たちがいる場所(地面)に対する

「宇宙」は、一般に

「高度100キロメートルより高いところ」

とされます。

 

空気が ほとんどなくなるのが

100キロメートルくらい です。

(もちろん そこを境に急になくなるわけじゃありません)

 

飛行機は

だいたい 10 キロメートルの高さで飛行します。

 

国際宇宙ステーション(ISS アイ・エス・エス)は

高度400 キロメートル 上空を飛んでいます

(1時間半 ほどで地球を一周しています)。

 


 

* * * * *

 

さて、宇宙飛行士でも

地球の重力 にひかれる場所にいた人たちと

地球の重力 をふりきって 月へ行ってきた人たち

の体験は ずいぶんとちがう、といいます。

 

宇宙船の中にいた 飛行士と

船外活動をした 飛行士にも

なにやらちがいがあるそうです(※)。

 

* * * * *

 

たとえば サーナン という宇宙飛行士は

『ハッチを開けて外に出るのとでは

全く質的にちがう体験だ。

宇宙船の外に出たときはじめて、

自分の目の前に全宇宙があるということが実感される。

宇宙という無限の空間のどまん中に

自分という存在が

そこに放り出されてあるという感じ』

といっています。

 

また、月へ向かう途中で

どんな気持ちだったかと訊かれて

『世界が一目で見える。

全人類が私の視野の中に入ってしまう。

目の前の青と白の球体の上で

世界で起きているすべてのことが

現にいま起きているのだと思うと何とも感動的だ』

 

『地球から離れるに従って、

地球は、ますます美しくなる。

その色が何ともいえず美しい。

あの美しさは生涯にわたって忘れることができない』

などと答えています。

 

 

* * * * *

 

もう少し見方をかえると

宇宙が私たちの世界すべてなら

私たちも宇宙の一部、ということもできます。

 

いってみれば、「私もあなたも宇宙人(宇宙生命体)」。

 

地球 という 岩の惑星 で暮らす、

広い宇宙の どこをさがしても代わりのきかない

唯一無二 の存在です。

 

(※)『宇宙からの帰還』 立花隆 中央公論新社
 

2021/08/50 写真追加
2021/08/18 タイトル修正、本文修正、写真追加