月のふしぎ①(その生い立ち)

 

お月さまは どうやって誕生したのでしょう?

 

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月は、地球のまわりをまわる

たったひとつの衛星(えいせい)です。

地球のひとつ外側をまわる火星には 2つ。

木星には 70個以上 の衛星があります。

 

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月がどうやって生まれたか

長いあいだ考えられてきました。

今、いくつかの説があります。

(1) おやこ説

(2) きょうだい説

(3) たにん説(他人説)

 

(1)の「おやこ説」は

地球が生まれたころの大昔

猛スピードで自転していた地球から

ひきちぎられてできた、という説です。

 

(2)の「きょうだい説」は

同じく地球が生まれたころに

一緒に同じガスやチリからできた、という説。

 

(3)の「たにん(他人)説」は

別のところで形ができた月が

地球のそばまで引き寄せられて

周りをまわりはじめた、という説です。

 

あなたはどれだと思いますか?

 

実は、この3つとも

いまひとつ今の月のようすを

うまく説明できないようです。

 

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そこで考えられたのが

(4) ジャイアント・インパクト説

です。

 

 

この説では

地球が生まれたばかりのころ

今の火星くらいの巨大な天体がやってきて

地球と巨大衝突(しょうとつ)した と考えます。

 

2つの天体は はげしくぶつかり合って

地球の表面ははぎとられ

やってきた火星サイズの天体は 吹き飛びます。

はぎとたれた地球の破片(はへん)と

粉々になった天体が やがて集まって

「月」になった、という説です。

 

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月は 木星や火星の衛星たちに比べて

本体(地球)に対して

とても大きな衛星です。

こんな大きな衛星ができるのも、

また、月の内部の成分のようすなども

ジャイアント・インパクト説だと

うまく説明ができるため

今のところ とても有力な説だと考えられています。

 

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今日もあたりまえのように 浮かぶ月。

じつは ずいぶんと荒々しい過去のもち主のようですよ。