宇宙のじかん キミのじかん(0.2秒の私たち)
宇宙の歴史のなかで
私たちは いったいどこにいるんでしょうか?
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「宇宙は 138億年前にはじまった」
ということを知っている人は多いかもしれませんね。
以前、「星には一生がある」
というお話しをしました。
宇宙がはじまって 数億年後
さいしょの星が 誕生しました。
その星はすぐに寿命をむかえて
宇宙に消えていきました。
残された材料は まざりあって
やがてまた新しい星が誕生します。
星の生と死が 宇宙のあちこちでおきる中
ある場所で ありふれた星(恒星)として
太陽が生まれました。
今から 46億年 ほど前のことです。
太陽の周りには 惑星がまわりだします。
ほどなくして 三番目のところをまわっていた惑星地球には
生き物が現れました。
地球での命のバトンリレーはつづき
今現在は 私たちがバトンを受け取っている時代です。
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前回の記事「太陽系はどんなところ?」で
宇宙では 特別な単位を使うと くらべやすい
というおはなしをしました。
とても長い宇宙の時間を
わかりやすいようにと 工夫したのが
「宇宙カレンダー」です。
考えたのは天文学者の カールセーガン博士です。
宇宙カレンダーでは
宇宙がはじまってから たった今を
1年にちぢめて考えます。
つまり 宇宙誕生の瞬間を 1月1日午前0時。
たった今を
12月31日の夜12時(年が明ける時)として
宇宙の時間を おおざっぱに感覚としてつかむのです。
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宇宙カレンダーでの 1か月は 現実世界の 11億年。
1分は 2万6千年。
1秒は 400年強
にあたります(かなりおおざっぱです)。
さて この調子で考えていくと
太陽や地球が誕生した 今から46億年前は
宇宙カレンダーでいうと
9月1日ごろです(もう二学期)。
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私たち人間は どれくらいに誕生したんでしょうか?
人類の歴史を 700万年 と長めに考えてみても
宇宙カレンダーでは
12月31日の夜7時半のことです。
その後、私たちに直接つながる
うんと おじいちゃん おばあちゃんたち
”ホモ・サピエンス” が姿をあらわしたのは
新年まで 残り8分(夜11時52分)。
ほんの ついさっき、ですね。
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人の平均寿命は 世界でみると
だいたい70~80歳。
日本は長くて 男性82歳、女性88歳 くらいです(※)。
宇宙カレンダーでみたとき
私たちは だれもが
”0.2秒たらず” だけ
今の形を成して 世界にいることができます。
その時間が「人生」です。
0.2秒たらずは 短いけれど
出会いも 別れも お付き合いも
楽しいことも うれしいことも
シンドイことも 泣きたくなることも
ぜんぶその中にあって
宇宙では二度と再現されないことが 今まさにおきています。
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*『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』*
2024/06 一部修正
(※)WHO (World Health Organization): GHE: Life expectancy and healthy life expectancy (平均寿命と健康寿命) / 厚生労働省 統計情報・白書(平均寿命の国際比較)