おやこ天文あそびと科学あそび(はてな大学)
「遊ぶ喜びや感動は、私たち人類の永遠の財産ではないか」
これは
私のふるさと 愛知県に住む方からいただいた
お手紙にあった一文です。
春頃、あるきっかけで私がお手紙を差し上げたところ
丁寧なお返事を頂戴したのでした(※1)。
* * * * *
お返事をくださったのは
遊戯研究家(ゆうぎけんきゅうか)の ”三宅おじさん” こと
三宅邦夫さん。
今年で御年100歳になられました。
三宅おじさんは
戦後まもなく、後に全国の「子ども会」の礎(いしずえ)となった
「中日こども会」を設立した
あそびの創作者であり、伝道師です。
三宅おじさんの著書は たくさんありますが
先日、ご自身の人生を
『命みがいて百歳』
にまとめられました。
幼少期に 自然のなかで 季節のなかで
あそび 学び 出会った友のこと
お母さんのこと
戦争一色の青春時代のこと
マニラで見た
たばこをふかす男の子のこと
売春しなければ生きていけない女の子のこと
船上でぎりぎりの状態の先に ようやく目にした祖国のこと
* * * * *
戦後、すさみきった祖国で三宅おじさんが目にしたのは
マニラで見たような 浮浪児たちでした。
この時、三宅おじさんは直感します。
「子どもたちを輝かせるのは ”遊び” だ(※3)」
「私の生涯の務めは、子どもたちに遊びを普及することだと決めた(※3)」
* * * * *
私は 2012年に
というグループを立ち上げました。
9年たった今でも総勢30名くらいの 小さなちいさな親子グループです。
会に なにかルールや役割分担があるわけではありません。
ただ、ときに親子で空を見上げたり
「つたえよう 宇宙のふしぎ 星のふしぎ 地球のふしぎ 命のふしぎ」
に賛同してくれる方が 今でもゆるくつながってくださっています。
やとっこ天文あそびを設立した頃の私は
三宅おじさんを知っていたわけではありませんが
(私の育ちの中に三宅おじさんがいたのを知ったのは 最近のことです)
「あそび」のパワーをかりたい、と思っていました(※2)。
「天文」は 多くの人を惹きつけるけれど
「天文学」となると ちょっと距離を置く人が増えるのを
心配していたからです。
「あそび」は
楽しいし 自由だし
なにより 気がラクで 飛び込みやすい。
肩肘(かたひじ)はらずに
誰だって 自由に楽しんで不思議がる入口に立てるのです。
* * * * *
とはいえ、
”本当に「あそび」でいいのかなあ”
と 自信がなくなることも(たまに)あります。
いろんな方と意見交換するなかで
やっぱり「あそび」って
やっぱりいいかもしれないなあと 思い始めた
そのタイミングで 三宅おじさん につながりました。
お手紙からは 100歳のご高齢とは思えない
遊びに対する 熱い熱い想いとパワーがみなぎってきます。
人生と遊びの大先輩は 迷いがちな私に
「あそびでいい」 じゃなくて
「あそび が いい!」
と太鼓判(たいこばん)を押してくれました。
* * * * *
さて、「あそび」のパワーを信じて
あいプラネットが 新たなステージに入ることになりました。
「あれ?」を大切にする
「はてな大学」。
「あそび」をとおして
世界と大地と自分の命 を知る
「おやこ天文あそび」と「おやこ科学あそび」。
これらの融合が生み出すものに
ワクワクがとまらない この頃です。
(※1)三宅おじさんと長年一緒に活動されている、山崎治美さんが手紙のやりとりをサポートしてくださっています。
(※2)「やとっこ天文あそび」の名前は和歌山大学の富田晃彦先生の「天文あそび」からいただいています。
(※3)『命みがいて百歳』三宅邦夫・山崎治美著 ゆいぽおと ISBN978-4-87758-494-8
2021/09/29 タイトルと本文の一部加筆