宇宙ってなあに?
「宇宙」ってなんでしょう?
まっくらで広くて
星がいっぱいあって
銀河があって
太陽系や地球や
ほかの惑星がうかんでいる様子・・・
をイメージする人は多いでしょう。
国際宇宙ステーションや、ロケット
遠い惑星を旅する 探査機や
宇宙人
を想像する人もいるかもしれませんね。
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「宇宙」
という 言葉は
紀元前2世紀(前漢の時代) につくられた
『淮南子(えなんじ)』
という古書(思想書)にあります。
「宇」は 上下左右の「空間」を
「宙」は 過去から現在、未来の「時間」を表します。
つまり「宇宙」は
私たちが知るかぎりの 「すべてのもの」、
私たちが存在する 「世界全体」
をあらわしています。
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一方で、わりと身近に見聞きする
「宇宙」
は、またちょっとイメージがちがうかもしれませんね。
「私たちの頭の上は どこからが宇宙なの?」
と考える人もいるでしょう。
私たちがいる場所(地面)に対する
「宇宙」は、一般に
「高度100キロメートルより高いところ」
とされます。
空気が ほとんどなくなるのが
100キロメートルくらい です。
(もちろん そこを境に急になくなるわけじゃありません)
飛行機は
だいたい 10 キロメートルの高さで飛行します。
国際宇宙ステーション(ISS アイ・エス・エス)は
高度400 キロメートル 上空を飛んでいます
(1時間半 ほどで地球を一周しています)。
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さて、宇宙飛行士でも
地球の重力 にひかれる場所にいた人たちと
地球の重力 をふりきって 月へ行ってきた人たち
の体験は ずいぶんとちがう、といいます。
宇宙船の中にいた 飛行士と
船外活動をした 飛行士にも
なにやらちがいがあるそうです(※)。
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たとえば サーナン という宇宙飛行士は
『ハッチを開けて外に出るのとでは
全く質的にちがう体験だ。
宇宙船の外に出たときはじめて、
自分の目の前に全宇宙があるということが実感される。
宇宙という無限の空間のどまん中に
自分という存在が
そこに放り出されてあるという感じ』
といっています。
また、月へ向かう途中で
どんな気持ちだったかと訊かれて
『世界が一目で見える。
全人類が私の視野の中に入ってしまう。
目の前の青と白の球体の上で
世界で起きているすべてのことが
現にいま起きているのだと思うと何とも感動的だ』
『地球から離れるに従って、
地球は、ますます美しくなる。
その色が何ともいえず美しい。
あの美しさは生涯にわたって忘れることができない』
などと答えています。
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もう少し見方をかえると
宇宙が私たちの世界すべてなら
私たちも宇宙の一部、ということもできます。
いってみれば、「私もあなたも宇宙人(宇宙生命体)」。
地球 という 岩の惑星 で暮らす、
広い宇宙の どこをさがしても代わりのきかない
唯一無二 の存在です。
(※)『宇宙からの帰還』 立花隆 中央公論新社
2021/08/50 写真追加
2021/08/18 タイトル修正、本文修正、写真追加