あいプラネット(宇宙のはなし・出張プラネタリウム) 

「ハテナ大学」① ~さあ、地球のあれ?をさがしにでかけよう!~

「ハテナ大学」① ~さあ、地球のあれ?をさがしにでかけよう!~

 

児童館のみなさんが お知らせしてくれたおかげで

第一回の 7月17日(土)に

多摩市在住の親子数組が 来てくれました。

 

「ハテナ大学はこのお部屋?」

「もうすぐ始まる?まだかな?」

開始時刻のだいぶ前から 覗きに来る子も。

 

* * * * *

 

10時半、いよいよ「ハテナ大学」のはじまりです。

参加者もスタッフも ちょっぴり緊張しながら入学式が始まりました。

館長さんの挨拶につづいて みんなも自己紹介です。

 

入学式では子どもたちに

オリジナルのワークノートと入学証を手渡しました。

ワークノートは 「ハテナ大学」の構想からかかわってくれている

U さんが描いた可愛いイラスト入りです。

 

「あれ?」をメモしたり ワークで使えるようにと

児童館の Sさんは

印刷や穴あけを あれこれ工夫してノートにしてくれました。

 

 

* * * * *

 

ワークノートには こんなことが書いてあります。

 


「あれ?」「おや?」は

ちいさな「かがくの心(※1)」です。

みのまわりのちいさなフシギに気づける

ゆたかな心でもあります。

ハテナ大学は、かがくの時代に

みんながたのしく

かしこく生きるための

ハテナ?のきもちを

大切にするところです。

さあ いっしょに

ハテナさがしのたびに

でかけましょう!

 

* * * * *

 

この日は「ハテナ大学ってなあに?」のお話しからはじまりました。

 

そのあと、もうすぐお月見(中秋の名月)という日だったので

お月見のお話しです。

最近、お月さま見たかな?の問いかけに

きょとんとしたり

「え、と・・・」

の小さな声(笑)。

大丈夫ですよ。ときどき思い出して見上げるきっかけにしてくれたらいいのです。

 

* * * * *

 

さて、今日の本題はここからです。

”身のまわりの あたりまえ は 本当はあたりまえじゃない”

を体験してもらうために みんなに

 

「宇宙人」

 

になってもらいました。

 

遠い星からやってきた 宇宙人にとっては

見るもの 触るもの 聞こえるもの

ぜーんぶが ビックリ!!

(のはず)です。

 

そんな キミたちは ふるさとのお友だちに

地球がどんな星かを 教えてあげようと思います。

 

それでは、地球の「あれ?」をさがしにでかけよう!!

 

ということで新聞紙の ”探検袋” をもって

近くの公園に調査に出かけました。

 

制限時間は5分!

5分を過ぎると全身がかゆくなる(?)ので大急ぎです!

 

夏まっさかりの太陽が照るなか、

子どもたちは いちもくさんに小山に昇って

何を持って帰ろうか まわりを観察し始めました。


バッタをつかまえる子

かわった色や形の石、枝、木の皮をえらぶ子

どんぐりを見つけた子

 

その気になれば おもしろいものはたくさんだけど

持って帰れるのは

「ひとつだけ」。

 

見つけた2つの「?」とにらめっこして

時間ぎりぎりまで

どっちにするか 悩む子もいました。

 

お部屋に帰ったあと

こんどは持ち帰った 自分だけの「?」を

穴があくほど よく観察します。

 

すると

石の色や模様

木の枝の ちょっとした 傷

バッタの足の形・・・

「どうして この色なの? この形なの?」

それぞれの いろんな「?」

をノートに どんどん書いていきました。

 

そうして書き出した「?」から

また「ひとつだけ」えらんで

その「理由」を考えます。

 

どうしてその傷がついたのかな

バッタくんは どうして足をケガしちゃったのかな

どうしてこんなにツルツルしてるのかな

自由に想像をめぐらせて 書き出していきます。

 

これは 「真の理由(原因)」を究明するのが目的ではありません。

ふだん見落としている自然の姿を じっくり

「観察して」、

どんな些細(ささい)なことでも良いから 何かに

「気づき(あれ、と思うこと)」、

それについて 自分なりの

「理由を考えて」

「書きとめる(表現する)」

体験をしてもらうのが 目的でした。

 

 

* * * * *

 

私たちの身の回りには

「あたりまえ」

が たくさんあります。

 

でも、本当にそうでしょうか?

私たちは「あたりまえ」を どれくらい「知っている」でしょうか?

 

もしかしたら「あたりまえ」は 私たちが

「知っているつもり」

になっているだけかもしれません。

 

* * * * *

 

あなたの居る場所は フシギに満ちています。

 

そして 自分が生きている世界を

「知りたい」

という人間の気持ちこそが

知識をふやし 探求し 工夫する という

知恵の積み重ねを生みました。(※2)

 

「ハテナ大学」の1回目は

そんな「あたりまえ」に ちょっとだけ立ち止まることを

やってみたのです。

 

* * * * *

 

ところで、「?」をさがすためにも

この日の親子がやったように

よく「見る(観察する)」ことが とても大切です。

 

さらに、よく見たあとは

「よく考える」ことも すごく大事。

人間の見る、聞く、感じるなどの知覚には

私たちが気づいていない いろんなブレがあるからです。

 

これについては また別のところでお話ししましょう。

 

(※1)「科学の芽」といわれることもあります。「ふしぎだと思うこと これが科学の芽です」とは、ノーベル物理学賞を授与された(1965)朝永振一郎が、京都市青少年科学センター所蔵の色紙に書いた言葉です(『科学者という仕事』酒井邦嘉著 中公新書)。
(※2)古代ギリシャの哲学者「アリストテレス」は、「すべての人間は、生まれつき、知ることを欲する」と書きました(はじめてのニュース・リテラシー』白戸圭一 ちくまプリマ―親書)