月のふしぎ②(太陽とどっちが大きい?)
満月は とても大きく見えますね。
私がまえに住んでいた家の近くに
東の空が どーんとひらけている場所がありました。
満月になると そこから まん丸で大きな月が昇りました。
そして ちょうどその時分に
反対側(西側)では 夕日が沈んでいきます。
でお話したように 満月の日
地球にいる私たちは
太陽の光が当たる「月の昼側」を
正面から見るような位置関係になっています。
「月 ― 地球(私たち)― 太陽」
です。
だから東に昇る満月を見たときには
背中側(西)に太陽(夕日)があることになります。
* * * * *
さて、ここでクイズ。
まん丸い月と 太陽は
”どっちが大きい” と思いますか?
* * * * *
答えは
実際のサイズ(直径)をくらべると
太陽は 月の400倍くらい大きい、です。
かなり大ざっぱですが
太陽がバランスボールの大きさだとすると
月は ビーズ(しかもかなり小さい部類)くらいしかありません。
太陽の大きさは まさにケタ違いです。
ちなみに このとき地球は ビー玉サイズ ↓(※)。
ところが 大きさの違いすぎる 太陽と月も
地球から見ると ちょっとオモシロイことになっています。
「太陽と月が ほとんど同じ大きさに見える」のです。
どうしてだと思いますか?
* * * * *
ポイントは地球と月、地球と太陽の距離です。
月は地球の近くにあります。
太陽までの距離の400分の1です。
「400倍の偶然(ぐうぜん)」がここで起きています。
つまり ”400倍” も大きな太陽が
”400倍” 遠いところにあるために
「月と太陽の見かけの大きさは 同じ」
という大きさと距離の偶然です。
月は 大昔 もっと地球の近くにありました。
そのころ 月は太陽より大きく見えたでしょう。
月は 今も少しずつ遠ざかっています。
遠い将来 月は太陽より小さく見えるようになります。
「400倍の偶然」が起こす 見かけの大きさは
今の時代だからこそ たまたま起きていて
それに気づいた知的生命体である私たちが
「へえー」
とやってるわけですね。
(※)ここでは サイズ感をつかむためにかなり大ざっぱにしています。 バランスボール直径1m、小さいビーズ直径2.5mm、ビー玉直径1cm としています。自分で計算できる人は、ぜひ理科年表などで数字をさがして確認してみてくださいね(もう少し良い比較の仕方があるかもしれません)。
*『夜、寝る前に読みたい宇宙の話』*
2024/06 一部修正